恐ろしい、恐ろしい、とても恐ろしいことを知ってしまいました。
人生というのは、生きていても楽しいことより辛いことの方が多いんだそうです。
つまり、今の苦しみが過ぎ去ったとしても、また苦しみはやってくるのです。
延々とあの苦しみが続くのです。
かといって今の苦しみから目を背けると、後でもっと大きな苦しみが待っているのです。
生きていく人間の、精神の底に沈殿し蓄積していく、黒い闇のようなものを、私は覗き見てしまったのです。
それは、いつか真っ黒な水になって溢れ出て、
そうしてしまった人は、犯罪者として後ろ指をさされるのです。
誰しもあの黒い泥を溜め込みながら生きていくのなら、人間は最早みんな化け物の卵なのでしょう。