3月。1ヶ月ぶりに訪れた此処は、なんだか、変わってしまった気がする。なんか、寂しい、なぁ。なんて。俯いて考える。

新しい人も増えて。
なんだか怖い。

管理人さんは忙しそうで。
倒れてないかすごく心配。怖い。
なにも手伝えないけど届けばなって。
自己満足。ごめんなさい。

たかが1ヶ月、されど1ヶ月。
僕は周りの人の小瓶へお返事をしているだけで
小瓶も流さずその他の小瓶も少ししか見ていなかった。

だからか、
なんだかガラッと“宛名のないメール”が
変わってしまった気がする。

それが少し寂しい。

あの子、死ぬ決意したんだって。

僕なんかがお返事しても良いのかな、
なんて思って打ち込んだ文字を削除する。
あまり取り乱していないのは何故だろう。
心底どうでもいいと思っているのかもしれない。
自殺についてのニュースを確認した。

あーあ。
どんどん離れていく。みんな、死んじゃう。
なんでこんなに生きづらい人が沢山居るんだろうね。
もう少し生きやすい世界になれば良いのに。

端末に入ってるメモに、
いつものように文章を打ち込む。
深夜、２時。またパスコードを入力して愚痴った。
僕しか知らないパスコード。僕しか知らない僕の思う事。
誰にも届かないこの言葉達は、どこへ行くのだろう。

ぼんやり考えながらあくびをした。

片方だけつけたワイヤレスイヤホン。
そこから流れる音楽は最近お気に入りの歌手の歌。
家族みんな寝静まった時間に、僕だけが起きている。
そんなことに少し優越感を抱いた。しょうもない。

めんどくさいな、

適応指導教室。
知らない人ばかり。
ひとクラスに毎日2、3人程。多くて4、5人。
その人数でも怖い。
狭い空間だから他の子の話し声が聞こえてしまう。
聞こえてしまう事に罪悪感を抱きながらも、
逃げることもできずただ震えながらノートに文字を書く。

息が荒くなるのは何故？
心音が速くなるのは何故？
背中を冷や汗が伝うのは何故？
視界が揺れるように見えるのは何故？

イヤホンの音量を上げて考えに集中する。
分からない。
どうして急にそうなるんだろうね。

僕ばっかり。
僕ばっかり。

そりゃあ僕は愛想はあまり良くないし
人と関わることはあまり得意ではない。
でも僕ばっかり思ってるのは苦しい。
わがまま、かな。

愛されたいな。

鏡の中に入れたらな、って姿見に手を伸ばす。
でも鏡の向こうの世界は僕を拒んで指先は弾かれる。
こんな世界から逃げたい。
そんな事を思ったって
実行する行動力なんてモノは生憎持ち合わせてない。
苦しいな。

リピート再生。
愛されたい愛されたい。
繰り返し呟く。叶いもしないのにね。

どんまいどんまい、今回の人生は失敗だったみたい。
こんな承認欲求なんてモノ持っちゃったらおしまいだわ。

聞き逃した、なんて笑って話を変える。
なんだか気まずくて苦笑い。
ごめんね、答えたくないかな。

あの子、あの子。
僕を苦しませるあの子。

今ごろなにしてるかな。
ゲームかな、メールかな、
読書かな、宿題かな、？
僕に好き好き言っといて離れていくあの子。
人の気持ちも考えてほしいね。
君のせいで愛を知っちゃったじゃない。
そのせいで、苦しいんだ。
どうしてくれるんだろ。
きっとどうもしてくれないだろうな。

身長は低い割に高すぎるプライド。

それは承認欲求をさらけ出すのを邪魔する。
愛されたい、なんて言えたもんじゃない。

人を尊敬する事は出来る。
でも、人に嫌悪感を抱くことの方が多い。
人を馬鹿にしてしまうことの方が多い。
この高すぎるプライドが故、なのかも。
人を妬む、馬鹿にする、そんな事しか出来ない。
僕の心、汚いな。

1番綺麗な死に方、は寿命。
1番綺麗な自殺は、？
僕は凍死だと思う。
溺死も綺麗だけど、
死体がブヨブヨになるらしいから嫌かな。
痛み止めと睡眠薬飲んで、
雪の中に埋もれるの。ずぼっ。
凍死する前に窒息死しない程度にね。
一緒に死んでくれる子
がいたら嬉しいかも、なんて。
眠くなるまで話して、限界が来たら寝るの。
そのまま死ねるなんて良いよね。
夢にまで見た死に方だと思う。
いいなぁ。

死ぬ、綺麗な言葉だと思う。
終わらせる、それと同じ意味合い。
死ぬ、死ぬ、言い過ぎたら心配されるかな。
言葉を覚えたての幼稚園児みたいな行動。
心配されたいな、なんて。

瞼が重い。

バッドエンド、バッドエンド。
なんだか虚しくなるからハッピーエンドは苦手。
愛されたい。

ごめんね、引き止められなくて。
ごめんね、声を掛けられなくて。
ごめんね、嫉妬しちゃって。
ごめんね、依存しちゃって。
ごめんね、そんな言葉で謝りきれないくらい罪悪感が溢れてくる。
もう君はこの世界にいないかもしれないけど。しょうがない。
後悔ない人生にしなよ、なんてクサイセリフを吐いて離れる。

ごめんね。