（懺悔3）ある人と彼氏への懺悔を小瓶に入れて流す。ある人とは彼氏のお姉さん。

ある人と彼氏への懺悔を小瓶に入れて流す。

ある人とは彼氏のお姉さん。
以下、便宜上「Rさん」と表記する。

私のことは「私」または「W」と表記する。

Rさんは優しい人だ。言葉遣いがとても丁寧でお淑やかな人だ。

片や私はガサツで言葉遣いがとても悪い。口調もキツい印象のようだ。
「印象のようだ」と表現しているのは、自覚がないから。

自分では努めて丁寧にゆっくり優しく話しているつもりなのだが、聞き手にはキツい印象を持たれがち。
おまけに礼儀知らずで常識的な対応が出来ないこともしばしばある。

そのため、Rさんに対して（私としては意図せず）失礼な言動を繰り返してしまっていた。

その結果、Rさんの心の中に「WはRさんを嫌っている」という誤解が生まれてしまった。

Rさんは優しい人なので、それでも私と仲良くしようとしてくれていた。

Rさんから見たら「弟の彼女」なので邪険に出来ないというお考えもあったのかもしれない。

Rさんから何度も
「Wはワタシの事嫌いなのよね?
どうして、嫌われちゃうのかな。
仲良くしたいと思っているのに。
ワタシはどこを治したら良いのかな?」
という主旨のお言葉を頂いていた。

私からしたら
「どうして、そんな風に思われちゃうんだろう」
という気持ちなのだが、自分の言動が悪いためであることは認識している。

しかし、お恥ずかしい話、どこがどう悪いのか自分で分からないため、矯正が難しい状況である。

Rさんから「普通はこう言うでしょ、こうするでしょ」と教えていただいた事は意識して守ってはいるものの、
口調だったり、言い回しなどでどうしてもRさんに嫌な思いをさせてしまっていた。

Rさんと知り合って5年。

この5年間ずっと自分の話し方について悩み、私なりに改善するべく努力はしていた。

しかし、肝心の「何を治せば良いのか」がどうしても分からないため、改善できないままだった。

何だか疲れてしまっていた私は最低な行為に及んだ。

いつものようにRさんから
「Wはワタシの事嫌いなのよね?」と言われた時に

一方的にRさんに雑な言葉でお別れを伝えて
お返事を待たずにラインからRさんのアカウントを削除したのだ。

その時の私は「もうダメだ」という気持ちでいっぱいだった。

5年間頑張ってもどこを直したら良いかさえ分からなかったのだもの。

この先ずっとRさんから
「ワタシの事嫌いなのよね」と言われて
謝罪して、自己嫌悪に陥って…

このループから永遠に抜け出せないのだ。

「もうやだ」と思ってしまった。

もうRさんに嫌な思いをさせたくない。
もう誤解されたくない。

疲れきった私はそのように考えて最低な行動を起こしたのだった。

その後すぐに彼氏に電話をした。

「Rさんのことは今でも好きだけど、もう話したくない」
「私のラインからRさんのアカウントを削除した」
「Rさんは何も悪くない。全面的に私が悪い」

そう伝えた。

彼氏は「いいよ無理しないで。何かごめんね」と言っていた。

彼氏の大切なお姉さんと「話したくない」なんて言ってしまったのに、彼は怒らず、「何があったのか」と問い詰めることもせず、受け入れてくれた。

私は心から感謝した。
彼氏を大切にしようと思った。

しかし、時間が経ち、落ち着いて考えてみると
本当に本当に私はRさんに対して
自分が最初に思った以上に酷い事をしたな
と思った。

そして私はRさんとの縁を切った経緯について彼氏に詳しくは話していない。

物凄く雑な短い言葉で一方的に別れを告げて
Rさんのお返事も待たずにアカウント削除した事を
話していないのだ。

彼氏がRさんからこの話を聞いたら…

流石の優しい彼氏も怒って私から離れるだろうと思った。

そうなったら、仕方ない。受け入れるしかない。
自分が悪いのだから。
そんな風に自分に言い聞かせていた。

彼氏も私も最近は仕事が忙しくなかなか会えずにいた。

しかし、昨日やっと久し振りで会うことが出来た。

彼氏は私に言った。
「少し前に、姉（Rさん）から電話があったんだよ」

ああ、私の悪行がついに知られたのだと思った。
振られるな、と。

ところが彼氏は
「俺も姉とはもう口をきかないことにした」
と言ったのだ。

このような事を「青天の霹靂」と言うのだろうか。
思いがけない展開に私は言葉を失った。

彼氏は
「俺、Wの気持ち分かるよ」
「どうせ姉はちょっとした言葉尻を捕まえて被害者ぶってネチネチ小言を言ってたんでしょ」
「すぐ、『ワタシ嫌われてるのかな』とか言ってたんじゃない？」
「姉はいつもそうやって相手の罪悪感を煽るようにして人を責めるんだよ」
「責めてないように聞こえる言葉で人を責めるのが得意なんだよ」
「Wには同じことしてないのかな、と思ってたけどやっぱりやってたんだね」
「Wはいつも姉を褒めてばかりいてくれてたから、気付かなくてごめんね」
「姉はこの前の電話でWのことを酷くけなしていたよ」
「聞いていて許せないと思った」
「だから俺ももう姉とは関わらないことにした」

大体、そのような事を言っていたと思う。

私は彼氏に
Rさんは何も悪くない。
私があまりに失礼な事をしたから怒るのは当然。
Rさんはちょっと言葉遣いをたしなめただけ。
確かに何回も「RさんをWが嫌っている」と言われたけど、それも私の言動が悪いせい。

そう説明したが、彼氏の決意を変えることは出来なかった。

私のせいで姉弟の関係にヒビが入ってしまったことを恐ろしく感じている。

後悔は何の役にも立たない。

Rさんにも彼氏にも申し訳ない。