とある老人に絡まれた業者の愚痴。非常に腹立たしいので、小瓶を流してこの出来事を忘れます。

本日も皆さんお疲れ様です。
非常に腹立たしいので、小瓶を流してこの出来事を忘れます。

私は造園社会で作業員をしている25歳の女です。この業界にいると、感謝のお言葉をいただくこともあれば、反対に苦情や難癖をつけられることも少なからずあります。私は専門業界に組してはいるものの、資格を有しているわけではなく、知識も最低限のものしかありません。それゆえに対人トラブルになった際、どちらの言い分も、その時の心境もよく分かるのです。

しかし今回はそんな気持ちもすっ飛んでしまうような出来事でした。共感の余地無し。もう絶句するしかありませんでした。

私と上司はある路線の並木の剪定に来ていました。剪定する木は『桜』。知っている方もいるかと思いますが、桜は本来切ってはいけません。『桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿』ということわざがあるように、基本桜を剪定することはありません。

今回難癖をつけてきた老人も、その点でお怒りのようでした。ですが、私達は造園を生業にしています。そんなこと言われなくても知っています。それでも切るということは、それなりの理由があるということです。理由も無しに切ったりしません。


【老人側の言い分】
並木の桜が年々減っていくのはお前達が枝を切って枯らすからだ。役所に桜を切らないようお前達が圧力をかけろ。そして伐採したなら新しい桜を植えろ。切りっぱなしにするな。

【業者側の言い分】
私達は役所や警察からの指示で桜を切っています。市の持ち物なので、勝手に手を付けることは出来ません。私達も指示を受けてから二つ返事で着手しているわけではありません。役所の人間と立会をし、どこを切るか、なぜ切るか、本当に切る必要があるか、剪定に樹木が耐えられるかなどを協議したうえで、必要と判断した後に初めてGOサインが出るのです。

切っているのは主に枯れた枝や腐りが進行している枝です。切り落とした際も薬を塗るなど然るべき処置をしています。生きている枝は通行人の支障とならない限り、切るようなことはしません。

私達は雇われなので、依頼主に圧力をかける行為は立場上出来ません。仕事が無くなります。仕事をしたことがある人間ならご存知だと思いますが、社会とはそこまで上手くはいきません。お金や役職、法律などの決まり事などが複雑に絡み合い、何をするにも許可が要ります。

伐採した後に新たな樹木を植えないのは、単純に市にお金が無いからです。詳しく言うと、土木工事に使えるお金が無いのです。理由は老人介護施設等にお金が回されているからです。お金は湯水のごとく涌き出てくるものではありません。削ってかき集めてどうにか工面するしかないのです。その結果、樹木管理の手が行き届かなくなっているのです。


上記のようなやり取り(一部脚色、省略有り)をしました。しかしどんなに説明しても老人は「そんなもんは知らん」「それはお前達の言い訳だ」と聞く耳を持ってくれませんでした。話にならないので、ご不満な点があるならご自身で役所に掛け合ってみてくださいと伝えたのですが、「わぜわしがそんなことせんといけんのか。お前達がやれば良いだろう。」の一点張りでした。

お金は関係無い、自主的にお前達が手入れすれば良いだろうとも言われましたが、業者が手を入れる=その時点でお金が発生するので、雇い主からすれば勝手なことをされると迷惑になります。それが雇用のシステムなのです。

役所へ掛け合うのも何で自分が。
気になるなら桜を寄贈すれば良いも何で自分が。

あれもこれも嫌、嫌。そのくせ文句だけは一端なことを言う。どんな木でも多少手を入れなければ生きていけません。人工的にその場所に植えられた木であれば尚更です。私達は老人との会話をどうやって終わらせたのか覚えていません。ただその場には重い空気が残っていました。

最後に、不満を私達にぶつけるのは結構です。中には改善できることもあるので、要望があるなら一度相談してみてください。ただし言い方には気を付けて欲しいです。最初から高圧的にならず、まずはなぜ？と理由を聞いてください。私達には説明する義務があります。そして私達にも立場があることをご理解いただけると幸いです。

長文失礼いたしました。