睡眠。
生きている間にできる「死の練習」だって、本で読んだ。
それ以降、ぼくは寝るのが好き。
確かに練習かもしれない。
だって、寝ている間は何も考えなくていい。
夢だってずっと続くわけじゃない。
完全に意識のない状態、もといノンレム睡眠が少なからずある。
何も考えないで、何もかも忘れて、心地のいい空間で、ずっと漂ったまま。
いつか誰からも忘れられて、名前さえ思い出されなくなりそうな程、深くまで眠れたなら。
でも現実的じゃないよね。起きなきゃいけない。
アラームが鳴って、意識はすぐさま水面までのぼる。
けたたましく鳴る時計を叩いて、掛け布団を剥ぐ。
起き上がって朝ごはんを食べて歯を磨いて仕度。
それが終わる頃には夢を見た事さえ忘れてる。
それで、また消えたくなるような「生」が始まる。
いじめなんて欠片もない。虐待なんて程遠い。
先生たちもいい人ばっかり。
みんな私を大切にしてくれる。
なのに、なんでこんなに生きるのがつらいのかな。
あぁ、いや、だからかもしれない。
みんなが大切にしてくれるのに、それに応えられない。
それが、どうしようもなくつらくて。
だから毎日、「二度と目覚めませんように」なんて。
叶いっこない願いを本気で望みながら寝るんだ。
今日もダメだった。起きちゃった。
終わりっていつ来るの?
2022/03/10