⚠️以下、漫画「進撃の巨人」のネタバレを含みます。
ご注意下さい。
サシャ・ブラウスが死んだ。死んでいた。
アニメの方を観終わって、ぼちぼち気になっていた原作の方を見始めていた。
サシャは、一推しという訳ではなかったけれど、104期生の中でいつも異彩を放っている彼女がすごく好きだった。
私はまず、この彼女の死をどう受け入れればよいんだろう、とぼんやり考えた。だって私がサシャや104期生や調査兵団員達の生き様を噛み締めている時間のどこかで、サシャは本誌で死んでいたのだ。今更私に彼女の死を悼む権利があるのだろうか。そして、あんなにあんなに大好きだったサシャは、ページをめくった瞬間からいなくなった。単純にそれが受け入れられなくて、恐らく暫くした後から湧いてくる悲しみと虚しさが怖かった。
そんなことを考えている内に、予期していた悲しさが迫ってきた。これから先、あの残酷で美しい「進撃の巨人」という世界線のなかに、サシャ・ブラウスという名前の、食べることが大好きで美しい茶髪のあの少女はもうどこにもいないのだ。それは事実で、作者が選んだサシャの最期なのだ。
そう思うと、私はすんなりとサシャの死を悼み、尊ぶことができる気がした。私が昨日食べたパンも、先週食べた焼き芋も、今日食べた鶏肉も、サシャが生きていれば食べられたものだ。サシャは死んでしまったから食べられないけれど、私やエレン達は生きているから食べられる。そうして命は繋がれてゆくのだろう。それが残酷で美しい世界の
在り方だ。
さよならサシャ。104期生の中にあなたの姿がなくなっても、ずっとずっとあなたのことは忘れません。進撃の巨人という作品が完結してもずっと。サシャの分まで、私がおいしいもの沢山食べます。ありがとう。