繁忙期に売り上げがあったので
臨時のボーナスを手渡しですると全体報告。
社長室に順番に社員が呼ばれて、
15分程度の面談がある。
「失礼します」
ノックをし、入室。
椅子に腰掛けた。
「声、小さいよね」
大きな張りのある声。
向こうは気にしていないのだろうが、
男性の大きな声がすごく苦手。
トラウマがあるわけじゃないけど、
なんだか怖くて、苦手。
そして、自分の声がコンプレックスなわたし。
「声が通らないんですよね」
声は震えていたと思う。
怯える存在でないのはわかっているのに、
彼と話をするときには声が震える。
パワハラモラハラのオンパレード。
自信家。おしつけ。
くだらない人間だと思っているのに
2人で話そうとすると震える声。泣きそうになる。
「通らないとかじゃないよね。そうじゃないって俺は思う」
ほら、また。決めつけ。おしつけ。俺は正しい。
「いや〜ハハハ、わたしはもうこの声と20年以上付き合ってるので、ね。」
なんて苦笑いを返す。
内心では
お前に何がわかんだよ。あんたにわかるの？
どれだけ大きな声を出しても届かない時の虚しさ、
ざわざわした空間で話しても伝わらない悲しさ、
無視されたと思ったら普通に聞こえてなかったというすれ違い、
リーダーとしてグループに指示を出しても誰にも届いてない、
声が枯れるほど叫んでも、近くの人にしか届いていない。
そんな空間を何度も何度も経験してきたの。
飲食店で店員さんを呼ぶのもやめた。
ざわついた空間で発言するのをやめた。
盛り上がってるときにツッコミをいれたいけどそれもやめた。
半泣きになりながら、ボーナスを受け取り社長室をあとにする。
封筒の中には少量のお金と小さな紙切れ。
「◯◯さんにはもっと声を意識してほしいな！俺と一緒に頑張ろう！」
吐き気がした。
その場で破って会社のゴミ箱に捨てた。
この人は、何も見えていない。
会社がバラバラになっていること
社員が誰もついてきていないこと
何も気づいていない。
だから、こんなにも簡単に人を傷つける言葉をかけられるんだ。と思った。
他にも信じられないことが多々あり、転職活動をしている現在。
今日にでも辞めたい、ヤツらの顔を見たくない。
もう少しでおさらばだよ、いい人生経験になったねと
自分を励ましながら頑張っています。
転職先が決まれば、彼と同棲。幸せが待ってる。
眠れないのも、生理が遅れるのも、朝に体調が悪くなるのも
全部全部あと少しの辛抱だよ。
