家族とどうしても離れられない。
もう二十年も一緒に過ごしてきた家族。
家族それぞれ好きなところはあるけど、それ以上に嫌なところもある。
その嫌なところを好きになれない自分が悪いんだとずっと思って、無理やり好きになろうとした。
父親に似てる自分が悪い。父親の悪いところばっかり似てる自分が悪い。「お前はこの家の人間じゃない」と言われても仕方ない。
祖母に八つ当たりされるのも、母に冷たく当たられるのも、家族が他の兄弟とはあからさまに態度が違うのも、全部自分のせい。
物が無くなったら自分のせい。物が壊れたら自分のせい。都合が悪いことは全部自分のせいになる。
「恥を知らない自分の為を思って注意したのに」「敷いてあげたレールに沿って育たなかった」自分のせいです。
私はこの家を出ます。家の外に出るのは他人が怖くなって以来です。
暮らす場所を変えたところでどうにかなるとは考えていません。むしろ今より辛い状況になるかもしれない。
けれど何よりも辛いのは、今まで一緒に暮らしてきた家族のことを考えるたび、あんなに嫌いな人達と未だに離れがたく感じていることです。
家族にとっておそらく私は居ても居なくても変わりはないのに、自分は離れることを考えただけで勝手に涙が出て息が詰まるくらい辛くなるのです。