この世の中にただ一人、消えるべき人間というのがいる。私のことである。人に迷惑をかけることしか出来ないこの低能は

この世の中にただ一人、消えるべき人間というのがいる。私のことである。
人に迷惑をかけることしか出来ないこの低能は、ついに親をも呆れさせ、恩を仇で返した挙げ句に勝手に死のうとしている。

誰からも好かれず、誰にでも不快感しか抱かせないこの人間は、今も自宅の一角を不当に占拠し、親に金を出させて得た電波で通信している。
何をするにも寄生生活。部活だ受験だと言ってろくに稼ぐこともせず、それを容認してきて下さった親に対してどのような態度をとるべきかすら理解せず、嫌われ、疎まれ、厭われても、まだその方々に気を遣わせ、家に居続けられる神経は人間のそれではなく、鬼畜の所業としか言いようがない。
勿論、親と不仲の方々も世の中にはたくさんいらっしゃることだろう。私はその方々を否定したいのではない。むしろその方々に失礼なこの自分という人間がたまらなく嫌いなのである。
私という存在のどの要素を切り取っても、私だけが当てはまるものはない。つまり誰が私を見ても、その要素を通して他の人を認識し、私というフィルターによって少なからずマイナスのイメージを持つ（勿論、個人の落ち度をその要素を持つ人全員に敷衍する方ばかりではないが）。あるいは相手が私と同じ要素を持っていた場合も、その人に不快な思いをさせ、負の感情を抱かせる。ゆえに、私はあらゆる場面において誰かの迷惑になっている。

例えば、元より私は、緊張しているときや気持ちが浮ついているとき、熱が入りすぎてしまう傾向にあり、多くの場合それは「第一印象」を決定付ける初対面の場において発生する。そしてそれだけが原因ではないが、所属するあらゆるコミュニティにおいて少なくとも３人は、明確に私を「嫌いだ」という人がいる。（勿論私自身も明確に自分が嫌いだが、それは数に含まない）
他人に負の感情を抱かせるのがどうしても苦痛であるため、誰かと話すたび、私は幾度となく自省してきた。次はああしよう、こうしよう。しかし、上がり性の私は初対面の人と話すときに極端に頭が悪くなる。そうして、あんなにも自省し、あんなにも想像のうちで頸動脈を切ったのに、同じ失敗を繰り返す。

頭が悪いのは本当のことだ。
頭の善し悪しなど存在しないという人もいるが、私はあると思う。私以外の人間は皆少なくとも私より頭が良い。
そもそも、任意の能力において私より劣った人間など存在しない。私はあらゆる分野の底辺であり、価値も見いだされない路傍の石以下の存在である。まれに価値を見いだそうとするとても優しい方がいるが、その人たちすらも、やがて自分の見込み違いだったと悟り去っていく。

完全に消滅する術が存在しない世界において、こんな人間は、どうやら生き恥を晒しながら生きるしかないらしい。
だからこうして、見るに耐えない駄文を垂れ流している。
逆に言えば、このような文章しか書けない人間も世の中には存在するということである。
私という全分野において誰よりもダメな人間に唯一出来ることは、「自分よりダメな人間がいると知ってもらい安心してもらうこと」。
これを読んでいる方も、きっと私より高い能力を持っているはずだから。あるいは、私より人間的に優れているはずだから。

楽しく生きようだとか、幸せになろうだとか、そんなことは私は思っていない。むしろ大嫌いな自分が幸せになるなど最悪である。
ただ、これ以上他人に迷惑をかけない人生にしたいとは思っている。そうして、数えきれないほど生み出してきた不快を埋め合わせて、私が私から離れるときに、少しでも負の遺産が減っていればいい。