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違う。私は決して、やる気がなかったわけじゃない。ただ、お母さんに夢を壊されただけだ。私はピアノが好きだ。正確に言えば、好きだった

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長いですが、読んで貰えると嬉しいです。
暗めです。


違う。
私は決して、やる気がなかったわけじゃない。
ただ、お母さんに夢を壊されただけだ。


私はピアノが好きだ。
正確に言えば、好きだった。

私は小さい頃から、ピアノから出るキラキラした音が大好きだった。

どうしてあんな風に弾けるのか。
いつかあんな風になりたい。

ずっとそう思っていた。



そんな私に母はピアノを習わせてくれた。
小学生3年生だった。

やっと念願のピアノに触れた。
楽しかった。

母も小さい頃にピアノをやっていた。
それもかなり長い期間。
小学生1年生から高校3年生まで。


初め、ピアノの先生が母にこう言っていた。

「怒らないであげて下さいね。ピアノ自体を嫌いになる生徒さんもいます。」

私はその一言にとても安心していた。


母は怒ると、叩く蹴るが当たり前の人だった。
私はその頃から母の機嫌をとるのに必死だった。

「きっとこれからは暴力がない。」

そう思っていた。




でも、私の想像とは違った。
初めて1ヶ月。
母はピアノを弾く私を褒めもせず、叩くばかりだった。失敗は許されない。

母が言うとうりに弾かなくてはならない。

地獄だった。



そのうち、私はピアノを弾かなくなった。
母に叩かれるのが怖かった。

ピアノに触れば怒られる。
怖い。


でも、それも許されない。
母は

「どうしてピアノを弾かないの?サボりたいの?」

と言った。

違う。サボりたい訳じゃない。怖い。
お母さんが怖い。やめて欲しい。

でも、当時の私にそんなことを言う力はなくて、
「ごめんなさい」の一点張りだった。


私は仕方なく、怒られながらもピアノを続けた。





ピアノを初めて続けて5年位だっただろうか。

兄が「ピアノを習いたい」と言い始めた。

兄には音楽の才能があると思う。
ギターが弾けて、音楽で人を笑顔にできる。

私は楽譜が読めない兄には不可能だと思った。


兄はピアノを始める前、
「どうしてピアノを弾かないの?もったいない、」
と言った。腹が立った。

兄はピアノを弾き始めた。
それから3ヶ月経った時。

母と父は兄のピアノばかり褒めるようになった。

「音に思いがこもってる」だの、「いい音」だの、
「優しい音」だの、、、、

それと比べて私の音は汚いと、、、

私の5年間は一体なんだったんだろう。
私はピアノ向いてないんだな。
私はピアノを弾く資格がない。
そんなんだったら、産まれてこなければよかった。

私はほとんどピアノを弾かなくなった。


それからしばらく経って、

母は丁寧に私に聞いた。
「どうしてピアノを弾かないの?」

私はもう苦しかったんだ。
嫌だった。
怒られ、比べられる日々。私の音を馬鹿にする兄。

ぐしゃぐしゃに泣いて言った。

「私の音とピアノには、口出しをしないで。
比べないで。弾きたく無くなるから。」

母は「分かった。」としか言わなかった。





ああ、もっと言い返せば良かった。

全部全部お前のせいだ。
私は初めはピアノに憧れてて、大好きだった。

でも、お前が、私を怒鳴って叩いて、
弾かせようとするから。

私はピアノが大嫌いになった。
トラウマになった。

私が悪いだなんて思えない。


それに、比べるとはどういうこと?。
私には少しも褒めてくれなかったくせに。
なんなの。

私にピアノを習わせてくれたのは嬉しかったよ。
私をここまで育ててくれてありがとう。
お母さんだって、私の育て方知らないのに、
必死に育ててくれたよね。


でもね、そんなのあんまりだよ。

こんな酷いお母さんなら生まれてきたくなかったな。

私だって悪いかもしれないよ。
いい音が出なくてごめんね、メンタルが弱くてごめんね。

でもね、私お母さんに反抗したことないでしょ?

あれが初めてだよ。
許してよ。


だから、言う。

違う。私はピアノを弾きたくなかったわけじゃない
サボりたかったわけじゃない。
やる気がなかったわけじゃない。

ただ、お前に夢を壊されて、バカにされて、
トラウマを植え付けられて、比べられて、

それに耐えられなかっただけだよ。

いい子になれなくて、ごめんね、お母さん。
名前のない小瓶
200633通目の宛名のないメール
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ななしさん

ああ、似てるなあ。私がこの小瓶さんにであったのは「母が死んだらピアノをひこう」「母が死ぬまでピアノは弾かない」と検索したから。理由は、小瓶主さんと似たり寄ったりです。気に入らないところは「父の血を引いているから」というフレーズもあったなあ。親戚が来ると、目の前でピアノを弾かされ自慢されるんだけど、相手の気持ちを考えたら、だれも喜ばないです。自分で違う道を選んで満足。でも、50過ぎてちょっとピアノを弾きたい時がある、ただ、トラウマ記憶と感情のフラッシュバックが強すぎて、単純にピアノに向かえない。体調わるーくなって眉間とおでこのしわが深~くなる。小瓶主さんも自分に優しく、のんびりいこうよ~。お互い頑張りましょう。ストーリーのシェアありがとうございました。少し救われました。
アクセルローズ
謝らなくていいんですよ。私は母親の小言から逃げたくて、ピアノ、一生懸命練習しました。弾いてる間は何も聴こえないから。ピアノが上手になって他人に褒められると、母親は不機嫌になりました。それから30年近く、ピアノから離れましたが、私は今、またピアノに向かっています。なぜなら、まだまだたくさん、ピアノ曲はあるから。新しい曲を練習すれば、新しい記憶が残るから。そして、辛い時に弾いていた曲は、どんなに時間が経っても、特別な音の響きを出してくれます。それは自分の魅力であり、かけがえのない宝物です。その音をストリートピアノで響かせてみてください。空間に解き放たれて、誰かの心に響けば、拍手となって返ってきます。音楽表現は、身内の評価より、見ず知らずの人からの賞賛のほうが、ずっとずっと価値があるんです。早く、そのことに気づいて下さい。
sunny
あなたは頑張ってきたよ。
今度は楽しんで弾けるように
なんて
私は言う資格はないですね。
でも自分を責めないでくださいね。
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