勉強だけが取り柄だった。
頭いいねってほめられると自分が認めてもらえたようで、ものすごく嬉しかった。
他にたいした得意なことや秀でていることはなにもなかったから、それしか褒められる方法をしらなくて、いっぱい勉強した。
それなのに、なんでだろう、今回の定期考査はやる気が出なくって、たくさん怠けた。テスト期間にこんなに勉強しなかったことないってくらい怠けた。
なんにもしてないのに涙が出てきて、ペンが握れなくなって、スマホばっかり。
前回よりも平均点が6点も下がっちゃった。いままでは学年2位をなんとかキープしてたのに、こんなの絶対陥落するに決まってる。
あたりまえだね。はは。
つけが回ってきたのかな。
怒られるかなあ、それとも呆れられるかなあ、どっちもこわいなあ、、、、
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう
もっとべんきょうすればよかったごめんなさいほんとうにとりかえしつかないことした
こんなにいみのないにんげん、ひつようとされないにんげん、いきてるいみないごめんなさい
学年2位をキープってすごいですね。ただ、勉強や成績だけしか心の支えがないと、いずれどこかで行き詰まっちゃいますよ?
林修先生っているでしょ? 彼は東大の合格発表のときに「どうせ受かってるから」といって発表を見に行かなかったんだそうです。年齢を重ねると、そんな強い奴がゴロゴロ現れます。
ボロボロになりながら学年2位をずっとキープして苦しくなるより、適度に5位以内をキープしつつ、部活やスポーツや遊びもそこそここなす。そんな人の方が社会に出てからうまく行くものです。
なぜか分かりますか? 社会に出て仕事をすると、どんなにしんどい仕事で追い詰められても、心の余裕や視野の広さを保てることが大事になるからです。
つまり、普段の仕事は片手間でこなすくらいが丁度いいのです。実際、就職面接でも「学校生活以外に打ち込んだこと」は鉄板の質問です。
あなたは本気を出せば学年2位をとれるくらい学力は圧倒的に高いのですから、ギアを落として、もう1つ違う世界を作ってみると良いでしょう。そのさじ加減も勉強のうちです。