横断歩道待ちの間、近くのカフェのテラス席で、3歳くらいの子が(たぶんその子の)おばあちゃんに抱っこされている光景を見た。
やりとりの内容なんてたいしたことじゃなくて、子どもが「ましゅく!ましゅく!きゃはきゃは」と言い、おばあちゃんが「マスクぅ〜?」と返す。そんな感じだった。
私は小さい子どもが得意じゃない。
慣れていないし、遊ぶのも下手だし、ただでさえ自分に自信なんてないのに、小さい子に拒絶されると死ぬほど辛いから。
けど、遠くで見るのは好きだ。可愛かった。
なんの飾りもなく、穢れもない笑い声に癒やされた。
おばあちゃんから向けられる愛も目に見えてよかった。
子どもって純粋でいいよなぁ。
嫌なものを見たり聞いたりせずにそのまま育つことができればいいのに。
そしてやってくる。綺麗なものを見て、自分が汚れてることに気付くような感覚。
昔は、それこそ最悪な家庭環境と学校での居場所の無さに苦しんでいたときでさえ、もっと辛い人もいるんだ、自分はまだ恵まれてるんだって踏ん張る強さというか、ひたむきさがあった。
今はどうだ。
もう踏ん張る気力がない。嫌な人、意味のわからない会社に抑圧されて、心も身体もボロボロだよ。前向きな気持ちになれないよ。
自殺するほどの勇気もなく、安楽死できる世の中でもなく、ならせめて辛い部分の記憶でも消して、人生再出発させられればいいのに。
偽物の記憶でも詰めて、前向きな人間になれればいいのにな。