寒くなると思い出すことがあります。
私が小学校1年生だった頃
友達が落とし物をして、一緒に探していて
帰宅がいつもより遅くなったことがありました。
と言っても、外は夕暮れ時ぐらいでした。
母親は帰宅した私を見るや否や、理由も聞かず、
外に閉め出しました。
私はずーっと泣きながら謝り続け、ドアを叩いて中に入れてほしいと叫んでいました。
それはかなり長い時間でしたが、ドアが開くことはありませんでした。
私は泣きくたびれて、ドアの外に座り込んでいました。
そのうち、中から母と弟が楽しそうに夕食を食べる声が聞こえてきました。
夕食が済んだ頃、母が玄関の側を通る音がしたので、もう一度ドアを叩いて家に入れてくれるように頼みました。
でも、返事はなく、今度は風呂場から母と弟の楽しそうな声が聞こえてきました。
私は居たたまれなくなって、フラフラと歩き出しました。外は真っ暗になっていました。
家から少し離れたところに公園があるのを見つけ、そこにあった土管に入って座っていました。
寒い日でした。
しばらくして、通りすがりのおじいさんに声をかけられて、「おじさんが一緒に言ったげるから」と言われ、家に戻りました。
母は、その人の手前、黙って私を家の中に入れました。
でも、私のことは無視してました。
私は、その夜、ご飯を食べることもなく、風呂にも入らず、悲しい気持ちを抱えたまま布団に入りました。
ずいぶん昔のことですが、寒くなると思い出す過去のことです。
タイムマシンがあったら、その時の自分を迎えに行って、もっとあたたかい場所に連れて行ってあげたいです。