中学生くらいのころから、容姿についてからかいを受けることが多くなった。
その時私は太っていて醜かったので、男の子からは白豚と呼ばれ、女の子からも不細工をからかわれた。
そして母親からも、私が醜い時には冷たい仕打ちをうけた。
もうなにも信じられなくなった私は、本の世界に逃げた。
難しい本を読み、変人を演じることで、いじめのテーブルに乗せられない異端者になる方法を選択した。
取り組みは成功し、一応大々的ないじめは避けることができた。容姿についてのからかいは、残ったままだったが、陰湿かつ大胆ないじめに発展することはなかった。
しかし、この時から私は私がわからなくなった。
変人の仮面が脱げなくなり、人の心も信じられなくなった。
おそらくもう一生、この仮面は脱げない。これは成長なんだろうか。
でも私は、人を好きだった私に戻りたい。しかし戻りかたも、かつての自分ももう分からない。
同じく素顔が分からなくなったまま、そうして気が付いたら大人になってた者です。
まずは『良く頑張ったね、良く戦ったね』とあなたを称えさせて下さい。
きっとイジメを回避しきるまでの間は、誰にも想像が付かないくらい
毎日がすごく苦しかったろうし、悲しくて辛かっただろうと思います。
その中でよくぞ生き延びて下さったと思います。
経過はどうあれ、結果としてはとても素晴らしい事なのです。
さて、ここで同じ戦法を取って生き延びた者からの些細なアドバイスらしきものをさせていただきますね。
『変人と呼ばれ続けようがあなたの本質は変わらない。
根本的に好きなものは変わらないし、逆に何も苦労せず付き合う人を選べるようになったくらいだ。
むしろ無理に無垢な頃に戻ろうとはする必要はないし、よくぞその最高な武器を手にお入れなさった。
ソイツはすごく便利で力強いぞ』と。
変人の称号ごときでガタガタぬかすような、そんなちっせぇ奴は
その地獄の中で磨き抜かれた“人を見る目”ですぐに選別落ちでしょうし
本当に長く付き合える人は、たかが変人の称号ごときじゃ離れて行こうとはしません。
確かに自分の事が分からないのは苦しいでしょうが、
残念な事に、すべての人間は自分の事を知ってるようで案外まったく理解出来てない事実だけはお見知りおきを。