ああ、まるで漫画のヒロインみたいな。こういう場面が今までに何度かあったあたり、私はやっぱりリードする方は向いてないな。私の前に立つのはヒーローじゃなくて普通の女の子だけれども。格好いいな。私はもうダメだな。あの状況に酔っていた。あの子も私を守る自分に酔っていた感はあったけど。恥と思う気力がないや。もういいか。守ってくれるならいいや。踏まれまくってボロボロだったプライドなんて捨ててしまおう。悪意に足元掬われながらもがき続ける頑固女なんて役はもう疲れた。見下されながらも静かに庇護欲そそる女の子でいよう。飽きられればその時。刹那のキャラ作り。元々、私には自分なんて無かったんだろう。それでいい。だからこそこの柔軟性。信念も背骨もぐにゃぐにゃ曲がる。折れるよりマシさ。妥協は大事。そうでもしないと生きていけないね。さあ諦めよう。すべて諦めて笑ってみよう、私。