過干渉な母親だった。
運動会の二人三脚では、紐で繋がった私と息を合わせてゴールをするのではなく、母親が私をずるずると引きずって強引にゴールした。
男子に遊びに行こうと誘われたら、私と一緒についてきた。
私の脱いだ下着の臭いを嗅いでいた。
思春期になってトイレにカギをかけると、「中で何してるの!?」とヒステリックに怒った。
黙っていると、「何を考えているの!?」と聞かれた。
不登校、ひきこもり期間を経て、社会に出て、短時間バイトしかしたことがないけど、余計なことを聞かない人といると、とても気持ちが楽になる。
黙っていてもいい。何を考えてもいい。
自分が考えていることを、そのまま持っていていい。
心の扉にカギをかけていい。
それを無理やりこじ開けようとするのは、その人を尊重していないと思う。
人間だれしも自分の弱さ、辛さを持っているものだが、それはその人が話したくなったら自ずと話す。
それを無理やりバールのようなものでこじ開ける必要はないのだ。