年々、嫌ってきた父に自分が似てくることを痛感しています。
父は自営の家に生まれ、跡継ぎ以外の道を選べず、先代の祖父は父に事業を押し付け早々にリタイアし悠々自適、
右も左も分からぬ中、自分一人が頑張らなければいけない状況の中で、他人に弱みは見せられなかったのでしょう。
家庭でも会社でも独裁者、子供の言葉は全否定し、自分の考えが絶対で正しいと押し付ける。
社員にも「どうして俺の言う通り出来ないのか」と説く、経営者としての素質は元々なかったのかもしれません。
以前に母が「あの人本当はエンジニアになりたかったのよ」と漏らしていました。
私は家業と全く関係ない業種と職種でサラリーマンをしています。
「ちゃんとしている」「落ち着いている」と言われますが、中身は人を信用できずに常に疑心難儀な人間です。
他人を頼れないから辛くとも自分でやるしかないと思った結果、一人でなんでも抱え込む人間になりました。
周りの人間には「どうしてこんなこともできないんだ」と怒り、その怒りを仕事への原動力へ変えています。
人に仕事を振れないので仕事の効率も悪いです。ただ、周りも責任感のない人達ばかりなので埋もれているだけです。
他人に借りを作るのが嫌で友人も恋人もいません、人を頼るということが全くできない人間です。
物心付いた頃から人は自分を傷つけたり責めたりする存在で、心を許したり期待してはいけない存在だと思っています。
そんな風に思っていても、何処かで人とつながりたいと思っている自分は年々生き辛くなっていきます。
もっと素直に、若い頃に弱みを人に見せることが出来ていたら何か違っていたのかもしれません。
父と真逆の生き方を選んできたつもりなのに、気付いたら同じ生き方をしている自分が滑稽です。
本当は凄く悲しかったのにそれを素直に言えなかった、それを感じてはいけないと思っていた自分に気付きました。
親の課題を子供が引き継ぐというのはどうやら本当みたいです。