「男」、「女」という概念を
自身に当てはめることができない
肉体的部分での枠組としては十分に理解している
そういった意味では
私は「女」になる
ただ、精神的部分については
そもそもの枠組自体が疑問である
私は
「女」でもなければ
「男」でもない
私は「私」でしかない
...この感覚は、あまり理解されにくい
ということは知っている
現に、私の周りに
似たような感覚のものは1人もいない
周りは自分の性に疑問を抱かない
肉体と精神は同一であると
信じて疑わない
身体が男であれば
心も男であり
身体が女であれば
心も女であると
そういった考えを持った人で溢れている
その考えを否定するつもりはない
実際、彼らはそうなのだろうから
その理論が
私には当てはまらない、というだけ
では、私は一体なんなのか
感覚的にいうとすれば
どちらにもなれる
どちらでもない存在...
...いや
やはり、私は「私」でしかないのだと思う
それ以上でも、それ以下でも
それ以外でもない
言うなれば
「私」、という、枠組の中の存在
それが私なんだろう
別に
周りに、この感覚を説明するつもりはない
言っても理解されることはないと
確信しているから
理解されることのないことを
わざわざ口に出して言おうとは思わない
ただどうしても
女性として褒められると
強い違和感と嫌悪感を抱いてしまうから
「女」であることを強要されると
酷く疲れてしまうから
ここではせめて
何でもないただの「私」でいることを
どうか、許してほしい
私は「女」にはなりきれない
申し訳ない
...本当に、申し訳ない