健康だけは自信があった。
今思えば、ただの過信だったのかもしれない。
乳ガン検査のマンモグラフィで要精密検査。
乳ガンか。身内にがん患者はいない。
想像もしていなかった。
でも、未婚、出産なし。太り気味。生理がくるの早かった。
つまり、がんになる確率大だった。
良い歳して無知だった。
アラフォー独身。年老いた親に、乳ガンになりましたなんて言えない。
治療を始めたら脱毛や吐き気の副作用があるから会社にばれる。
障害者にさえパワハラしてうつ病に追い込むような会社だもの、乳ガンで休職しますとはまさか言えない。
友達にも言えない。
老いた親にも心配かけたくない。
誰にも相談出来ない。
一人っ子で兄弟もいない。
愛する人もいない。
今さら結婚は諦めていたから。
死にたい。心底、死にたいと思う。
毎日仕事が手に付かない。
帰宅しても死ぬことしか考えられない。
ショックで食事もほとんど取れなくなった。
こんなに絶望的なんて。
生きたい人には本当に申し訳ないけど、
頼れる人が誰もいない孤独な私は、死にたいと強く思う。
年老いた親を色んな場所へ連れてってあげたかった。
口の悪い同僚とも、まだまだ仕事したかった。
こんなに元気なのに、私は乳ガン?
考えるだけで動悸がとまらない。
睡眠薬飲んでも眠れない。
生活習慣病と違って、いくら生活を見直しても、
ガンが自然に消えることはない。
全て失う。
何もかも。
私は前向きなガン患者にはなれない。