「aのバカ」
「は? 何それ」
自分で言うのはあれやけど
うちに凄いなついてる友達がおって
その子に好きなこができて
うちに誰か教えてくれたんよ
まだうちにしか言ってへんらしくて
週1.2回のスペースで電話してきて今日あのこのこんなとこが可愛かった、カッコよかったって報告すんねん
別にうちにとってはどーでもええし
つまんないし
いつも流して聞いてたんよ
それでも15分とかで終わるならええんやけど
1時間を平気でこえるから
もういやでいやで
疲れた
自然現象なんやろうけど、親に長すぎるて怒られるし
趣味の時間取られるし
もういややて思ってたときにまた電話きて
はよ切りたかったから少しはなし聞いて
「親に長すぎるて怒られたから切るで?」
別にうち悪ないよな
「別にええやん」
ふざけてる、
「なんなんそれ。気分悪い。切るわ」
「なんで? aのバカ。aにしか話せないんやって」
「もうええ。うち疲れたわ。他当たって」
「いやや」
「だから怒られるゆーてるやろ」
「別にええやろ! aのバカバカ!」
「――なんなんそれ」
切ってもーた
これ以上話しても無駄やと思ったんやけど。うち間違ったかなあ
酷いこというたかなあ
とりあえず今言えることは顔みたくないねん
次の日、
「a帰ろ」
「は?」
耳を疑った
「昨日ケンカしたん覚えてへんの」
自分でいうのは気が引けたけど
「え! うちらケンカしてるん? なんでなんで?」
「――もうええわ」
もう、いやや
助けてください