ああ、もう…
強くなりたいっていつも思ってるのに、寂しくないっていつも言い聞かせているのに、どうしてこんなに押しつぶされそうになってしまうのだろう。
失くしたものはもう戻らないのだから、せめてこれからの為に少しでも意味があるように、いっそ僕は死んでも良いから守っていたいと思っていたけど、本当は、ただ僕が死にたいだけ。
死に場所を綺麗に飾りたいって我儘言ってるだけ。
自ら命を断つ覚悟なんてなくて、なのに自分が生きていたことに意味を見出そうとして、卑怯者。
僕が本当に守りたいのはあなたではなくて、あなたを守っている僕なんですね。手段と目的が倒錯して、結局何も分からなくなってきたなあ。
周りは僕がもうすっかり忘れて歩き出しているって考えてるんだろうけど、そんなことはなくて、まだ一歩も、一ミリも動いてなくて、もう足なんて腐り落ちたかもしれないのに、長い服を着てそれを隠して、行き交う人に気付かれないよう下手くそなピエロのメイクをする。
それでも昔の、マトモだった頃を思い出そうとするんだ。ビデオは掠れて見えなくなっても、シーディは割れて回らなくなっても、僕の瞼の裏には残酷なまでに綺麗に映ってて、その都度涙を流して、また歩けなくなって。
幸せでありたくない僕は、幸せになりたい僕を殺して殺して殺して、でも幸せになりたい僕は消えないから、だからこそ幸せになれないんだね。
少し、ほんの少しだけ、可哀そうだと思う。
というお話。