ごめんなさい。
今日もこんな小瓶を流してしまうことになって。
こんなことしかできない臆病なわたしを、どうか。誰か、許してください。
親が、離婚した。
しかも、話し合いとかじゃなくて、突然わたしたち子どもを連れて逃げるようなもの。
父さんがDVとか、信じたく無いよ…もう。突然逃げるって、おかしいよ。なんで自分の家から、自分のお父さんから、逃げるの？
ああ、違ったね、嘘ついた。
知ってたよ、全部知ってたんですよ。わたしだけ、きょうだいの中でわたしだけ、もう中学生だからって事前に知らされていたんです。
だから……よけいに辛かったんですよ。
突然いなくなるって自分だけ分かってるのに、友達とありもしないこれからの話をしなくちゃいけなくて。もうできないってわたしは分かってるのに、何にも知らない先生や友達はどんどん約束を持ちかけてきてっ………。もう勘弁してよ。今までだって学校行くの辛かったのに、こんなに精神ぐらぐらにすり減らして頑張ってるのに、わたしの気持ちは誰も聞いてくれない！！先生が帰りぎわに漢検とか英検の話持ちかけてくるからさぁ。本当は、こんな状況じゃなきゃわたしは、喜んで受けてましたよそんなの。なのに…！何も知らないって分かってても、頭にくるんですよ、きちゃうんですよっ。そんなこと現実にあるわけ無いじゃないって顔でさぁ、わたしもそう信じていたかったのにね。
今から自転車こいで、帰りたくも無い家に帰らなきゃいけないってのに、帰ったらまた何にも知らないでヘラヘラ暮らしてるきょうだいに「たっだいま〜！お姉ちゃん帰ったぜ〜」っていわなくちゃいけない。そんなこと考えたら……もう、耐えられなくて。どこにも隠れられないから、仕方なく職員トイレに隠れて、無理やり声を殺して泣いて。そんなこと、誰も知らなかったでしょう？だって、言わなかったし、必死に毎日隠してたからね。
父さんにも絶対にばれないようにしてさ。ずっと神経張り詰めて頑張ってたのに…。
「頑張ったね、よく頑張ってくれたよ〇〇は。ありがとね」って、本当は言って欲しかった。
でも、お母さんも「ごめんね、こんなのがお母さんで」ってそれしか言わない。逃げて、次に暮らすことになった母さんの実家では、「辛かったね、これからは幸せに暮らそうね」ってそればっかり。
あのね。わたし、いままで幸せじゃなかったなんて、思ったことないよ？
むしろ、今私のいる状況のほうが、不幸だと思うんだよ。
それをさぁ…誰か聞いてくれればよかったのに。わたしに、「〇〇はどう思ってるの？本当はどうしたいの？」って。
聞いてよ。お願いだから、わたしがこれからしたかったことも、これからなりたかったものも、本当は全部言いたかったよ！全部聞いて欲しかったんだよ！！なのに、あんた達大人ははそんなこともしてくれないの！？
………ああ、駄目。こんな気持ちで、小瓶を流すのは駄目だって決めたじゃん。…ごめんなさい。
いったん落ち着いて、深呼吸しようか。……うん、それでいい。
なんでこういうことになっちゃうのかなぁ、本当…もう嫌だ。
こんなに生きてくのが辛いなんて、わたし聞いてないよ。それ言ってくれてたら、わたしわざわざこんな世の中に生まれてこようなんて思わないもの。ああ、あの時子宮に宿らなかったらなぁ…笑。理不尽なんてもんじゃ無いし。
まあ仕方ないって思うしか無いのかな。
……せめてもの救いとして、この小瓶を優しい誰かが拾ってくれて、ひとこと「頑張ったね」って返してくれたら、わたしはこんな世の中でもこんなことがあるんだな、じゃああともう少し頑張って生きてみようかって思えるのかな。
うん、これでいい。これで、わたしは間違えていないって思うことにする。
……よーし。引きこもり一ヶ月分の浦島太郎な学力で、期末テストの勉強でもしようかな。
そこの優しいあなた。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
これ以上のことは無い、生きていた甲斐がありました。
お疲れ様です。読んでいてとても共感しました。
実は私も母子家庭で父親が朝起きたら急にいなかったという急展開で。。。。本当に辛い・・・・・
Hisokaさんと環境と条件は全然違うけれど、父親がいないことや母方の祖父母にいろいろ言われることとかは一緒でした。大変だよね。よくここまで頑張ったと思います。お疲れ様。
Hisokaさんが職員トイレに隠れて泣いていたのも少し似ていて。。気持ちわかります。私も学校の人が少ないトイレで泣いていたこともあって。。。。でもその日担任の先生と話すタイミングがあって話していたら、涙が止まらなくなってしまって、先生に抱き締められながらずっと泣いていました。私の場合だけどとても安心したし、こういうのをして欲しかったんだと気づきました。Hisokaさんも自分1人で思い詰めるのはやっぱり無理がきて、いずれか私が壊れたようにあなたが壊れてしまいます。会ったことはないけれどこの文章を読んであなたに壊れて欲しくないと強く思いました。だから誰かにぶちまけるのも一つの落ち着く方法だと思うよ。
人は待っていても始まらない。ある程度自分で行動して飛び込めばきっと受け止めてくれる人がいるはず。
「頑張ったね、よく頑張ってくれたよHisokaは。ありがとね」
一緒に乗り越えて人一倍強くなろうね。
rain（J1）
言っちゃいなよ。思い切ってお母さんに。
もしかしたら望む答えは返ってこないかもしれないけど、主さんが誰にも言えず溜め込んでたモヤモヤは本人にぶつければ少しは晴れると思うし、その気持ちをお母さんにも知ってもらうことがお母さんにとっても大事だと思う。
たぶん長女ですよね。私も長女で、妹が手のかかる人で、両親の間で板挟みにされて、長らく愚痴聞き役のサンドバッグになってました。
妹が就職してから今までのことを母にぶちまけました。人に迷惑をかけるのが嫌で、つらくても何も言えなかった。反抗することも迷惑になると思ってた。母もそれはわかってたけど、でもついついお姉ちゃんは手がかからないからって話聞いてあげられなかった。ごめんね。そう言ってくれて、つらかったことに変わりはないけど、あの時の自分は正しかったんだなと認められたような気がします。
だからたぶん主さんのお母さんもわかってるんだと思います。わかってて、でもついつい物分かりのいいお姉ちゃんに甘えてしまうんだと思います。
主さんが誰にも言えなかったように、お母さんも今までDVのこと一人で抱えてたのかもしれません。だったらいいじゃないですか。今度は主さんが甘えてみても。
お母さんにわかってほしい、ほんとはただそれだけなんだよね。
