お手紙を書くことも、直接お会いすることも、今の私には勇気がなくてできません。
だから、せめて少しだけ、宛名の欄を空白のまま、貴方にメールを送らせて下さい。
拝啓 様
昨今季節は変わり始め、秋を楽しむ間もなく肌寒い日々がやって参りました。
貴方様におかれましては、この日々をいかがお過ごしなのでしょうか。私の方はというと、情けなくも簡単に風邪をひいてしまいました。熱に浮かされながらも貴方様の体調の良し悪しが一時も頭から離れず、一体私はどうしたいのだと考えこんでしまう始末です。
貴方様に出会ってから約8ヶ月ほどが経ちました。存在を識ったその日のうちに恋をしてしまい、それまで貴方様を識らずに過ごしてきた日々が本当に勿体なく感じました。
きっと、私のように貴方様を好いている方は私の思う以上にいらっしゃるのでしょう。それはもう、私よりも早く貴方様に出会われた女性の数なんて想像もできません。
それでも、私はいつかどこかで聞いた『恋に年月なんて関係ない、遅いも早いもないのだ』という言葉を胸に貴方様だけを想い続けます。私のこの気持ちだって、偽りのないとても大きな想いなのです。
好きです。
好きです。
大好きです。
心から、貴方様が大好きです。
もしも色恋に縁が無いと嘆いている貴方様に、愛し愛される方が現れたら、その時は貴方様への気持ちを封じその幸せを心から祈る1人になります。だから、その時までは貴方様への気持ちを、四六時中頭の中は貴方様のことばかり、けれど心から貴方様の恋の応援をしてしまう。苦しくてでも本当に幸せになって欲しくて、ごちゃごちゃした中身ごと、胸に秘めておくことをどうかご容赦下さい。
最後になりましたが、貴方様のこれからのご多幸とご自愛のほどお祈り申し上げます。
敬具